2020年から実用化に向けて各社取り組みが行われている5Gネットワーク。どうやら今までの通信規格とは比べ物にならないほどの進化を遂げ、より生活が便利に、豊かになるそうなのだ。さきがけて携帯電話業界がその技術を取り入れ、サービスの展開に注力しているところだが、実はそれは5Gで拓かれる世界のほんの一握り。その先に大きな進化が控えている。
これまでは「4G(LTE)になって、通信速度がゥン倍!!より早く!大容量通信!動画サービス!」程度の進化であったが、4G→5Gへの進化によって、通信端末を介して得られる利便性の枠を出たサービスの提供が可能となる模様。
世界では6G、7Gにあたる通信技術もすでに見据えて開発が進んでいるらしいが、5Gでできることが一旦の区切りとなるのではないか、と考えている。
そこで、1Gから5Gの進化の歴史をまとめてみようと思う。ちなみに、5GのGはGenerationの頭文字で、所謂「モバイルネットワークの第五世代技術」といったものとなっている。
どうも、佐田(@satalog787)です。
「1G」携帯電話の誕生
1980年代に導入された移動通信システム。この技術により携帯電話の誕生へとつながる。この時はまだ無線技術がアナログであった。これが第1世代(1G)となっている。
自動車電話、ショルダーホンといったバブルの香りが漂うあの機械たちも、この技術を取り入れたグッズであった。
サービス開始当初はNTT傘下のグループ企業から提供されており、後に日本移動通信(IDO)や、第二電電(DDI)など、新規参入事業者の参入が認められ、多くの会社からサービスが提供される形となった。
日本では2000年にサービス終了。このころすでにサービス開始されていた「2G」に世代交代をする流れとなっている。
「2G」アナログからデジタルへ大きな進歩
1993年に導入された移動通信システム。2Gになってアナログ通信→デジタル通信に進化。音声信号をアナログ変換していた1Gと比べると、データ通信に長けた技術となっており、電話をするだけだった携帯電話から、多様な通信方法をとることが可能となる。代表的なツールとしては、メール。
1999年にNTTドコモが開始したサービス「iモード」は日本全体を巻き込んだニュースに。電子メールを携帯電話で送受信できるという今までに無かったサービスの提供により、携帯データ通信の利用が爆発的に広がった。
インターネットがまだ一般的ではなかったこの時代でも、携帯電話でそれが可能となり、ネットワークでの情報収集、情報公開、ソーシャルネットワークの普及につながっている。
技術の進歩、サービスの多様化によりユーザーは高速化を求めるようになり、それに伴ってサービスの進化、さらにユーザーの要望が…といった調子で、2Gからは通信速度の向上に重きを置いた開発が進められることとなる。
「3G」世界標準規格により世界へ
高速化、多様なサービス展開、ともう一つここでの進化がある。世界標準規格の採用だ。1G~2Gは地域ごとでの技術が異なり、そのエリアを超えての利用は不可能だった。日本で提供されている規格は海外での利用ができなかった。3Gではその問題を解決するため、国際連合の専門機関であるITU(国際電気通信連合)が標準化を進め、実用に至っている。ITUはこの規格に対し、「2000MHz帯の運用」「2000kbps(2Mbps)のデータ通信速度」「2000年に商用化」という願いを込め、「IMT-2000」という名をつけている。
高速化技術の方は、IMT-2000で目標としていた通信速度が2Mbpsであったが、なんとこれは2000年に余裕でクリア。最終的には10Mbps~20Mbpsあたりの高速化技術が採用され、実用化に至っている。
3Gという単語からは耳なじみのある方も多いのではないだろうか。みんな大好きスマートフォンも、この世代で誕生したツール。
「4G」スマートフォン需要最大化
サービス開始のタイミングが明確化されていないのがこの4Gである。というのも、すでにサービスが開始されていた「WiMAX2」の機種に採用されていた規格が、「これ4Gじゃない?」と報告され、その後正式に承認されたという背景がある。2010年10月に報告→2012年1月に承認…といった流れになっており、もうこれ分からんね状態となっている。
4Gの正式承認の前に「LTE」という技術もこのころに生まれており、まさに技術改革のオンパレードとなっていた時代。ちなみにLTEは4Gを先取りした3G規格という位置づけで、「3.9G」という呼ばれ方もしている。
高速化に対する情熱を最大限注ぎ、ここでの目標は50Mbps~1Gbpsと設定されている。
「5G」5Gが密接に生活に入り込む
現在に至るまで多様な進化を遂げ、2020年は5G元年といった呼ばれ方もしていた。4Gが「スマートフォンのための技術」という言い方をするのであれば、5Gは「端末とアプリケーションすべてのための技術」とでもいうべきか。自分のスマホが〇G!といった枠組みではないものとなっている。
5Gで掲げられている特長は、「大容量通信」「超低遅延」「多数同時接続」となっている。
開発環境もがらりと変わっていて、これまでは「スマホで何ができるようになれば便利か?」「スマホとこのサービスを連動させて…」という、スマホ(デバイス)ありき。しいては4Gの通信速度で実現できる限界が決まっていたが、5Gでは真逆の青天井。
「こういうサービスがあったらいいな」
「じゃあそれに必要な性能はそれくらいあれば足りるのか、考えて開発していこう。」
「それの実現には〇〇Gbpsの安定した通信が不可欠。じゃあそれの開発に力を入れていこう。」
といったものになっており、明確なゴールに向かってシーンの想定、それを叶えるためにどれくらいの通信速度や安定性が必要なのか、を決めていく流れになっているとのこと。
5Gで実装予定の技術として掲げられているものがいくつかあるが、代表的なもの一つを例にとって説明すると、
「遠隔操作での外科手術」が挙げられる。
例えば…「ある日本人が生まれながらの難病を抱えている。病状は悪化していき、もう体力も限界だ。もう余命いくばくかしかないこの状況で、人生を終えてしまうのか。と打ちひしがれていると、アメリカに個の難病を解決できる手術方法が開発されたらしい。しかし、アメリカにわたるほどの体力はもうない。その医師も、日本に来ることはできない…一体どうしたら…」
という状況を解決するため、5Gネットワークを使っての遠隔操作外科手術を実現させたい。それにはこれくらいの通信速度が必要で、遅延速度は〇秒以下で…という目標設定を掲げ、それの開発を行うといった寸法だ。
他にも「完全自動運転」や「スポーツ観戦のモニタリング」「工場、建設現場でのロボット操作」「危険個所の調査のため、探査機操作」などなど…ネットワークが「大容量」で「超低遅延」それも「多数の同時接続」ができると、スマートフォンやPCだけにとどまったものではなく、さらなるビジネスチャンスが生まれるものとなるのだ。
まとめ
単に5G!速いね!というものではなく、5G以降の高速通信は生活様式を一気に変える力を持っているものと考えられる。
現に自動運転は一般道での試験をすでにクリアしているし、マルチアングルでのシームレスなLIVE配信なども、実用化されている。クラウドゲームに関してもすでに4Gで実装されているサービスではあるが、さらに安定したプレイができるようになるだろう。
日本ではまだ十分にエリアが広がってはいないが、間もなく、そんな世界がやってくるのだ。楽しみだ。
ではでは、佐田でした。
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